敬愛するいしいひさいち先生の新刊「ROCA」を購入しました!
うれしさの余り京王線の「芦花公園駅」でブツ撮りをしてしまった。
ロカの公演ですよ。
ROCAはポルトガルの国民歌謡「ファド」の歌手を目指す高校生「吉川ロカ」と年上の同級生「柴島美乃」を中心とした、青春群像4コマ漫画なのです。
いしいひさいち先生が描くスタイリッシュな線がスゴイ。
これほど境地に到達した作家さんはそうそういない。長く作家活動をされていると、見ている側としても絵柄の古さ・衰えを感じたりする物なんだけど、いしい先生はそれを感じさせないところもスゴイ。
時代と共に進化しているのか。
ネタバレはしたくない人間なので詳しくは書かないけど、序盤はまさにいしいひさいち4コマ漫画でケタケタ笑いながら読んでいました。
しかし中盤にかかるあたりから、美乃の発言が少しずつ匂わせる物になってくるに気が付く。
そしてアレアレと話に引き込まれながら最後には胸を打つものがあり、いしいひさいち作品で涙が出てくるとは、ただただ衝撃でした。
ロカの成長を支える、かいがいしく(?)面倒を見ていく美乃の心境を考えると、かつての自分を少し思い起こしてしまう感情移入もあるかな。
ロカに対する無償の愛情ではないのだろうけど、途中から彼女はそれを決断していたのだなあ、と考えると切ないよね。
二人の信頼関係は実に羨ましく、百合の様にも見えなくもないけど、それに加味して出逢いからして深い物がありすぎる。
僕は上手くレビューを書けないけど、この作品はぜひとも目にして欲しいと願う作品です。
「バイトくん」も「がんばれタブチくん」も「B型平次」も「探し屋ケンちゃん」といったいしい作品を当たり前の様に楽しんできた自分としても、全く違ったいしいひさいち先生の凄みを感じた1冊でした、
久しぶりにズンと迫ってくる創作物でした。